
インプラント革命1~6 | インプラント革命7~11
このページでは、当院理事長 鈴木 仙一の著書「インプラント革命」より「All-on-four」に関する情報を抜粋してご紹介しています。
7.傾斜角を付けて埋入するインプラント
8.安全な施術に必要な条件
9.検査で判断するallon4の適合ケース
10.1回の手術でどう変わるか
11.最新治療の為の海外トレーニング
即時加重(直ぐ噛めるということ)ができるオールオン4の施術に関するポイントはなんでしょう。
それはインプラントに傾斜角度をつけて埋入することです。垂直ではなく角度をつけて埋入することで、より後方にインプラントのヘッドを出すことになります。すでに何度か説明をしていますが、前はの部位と臼歯の部位に埋入したインプラントヘッドの4点を結ぶと四角の面ができます。この面が広ければ広いほど安定した力で義歯を支えることになります。傾斜をつけてより奥にヘッドを出すことで最大限の面積を作るわけです。また、インプラントの表面加工も進化し骨と速やかに融合する工夫が凝らされていますから、仮歯をセットしたらすぐに噛める状態になるのです。ただしここで重要なポイントは、上・下顎に角度をつけて埋入する作業が、非常に繊細で高度な技術を要するということです。とくに上顎には頬骨や鼻腔があり、複雑な構造となっています。安全な手術を完璧に行うためには医師の技術だけでなく、医療施設の整備が絶対に必要です。つまりオールオン4の施術に関するポイントはCTスキャンの設置や滅菌室、麻酔システムなどの整備がかかせないということにあるのです。逆に言えば、それらのハード面が整った環境であれば安心して任せることができるというわけです。もちろん日々の技術の習得への努力というソフト面での充実も欠かせません。 ライオンインプラント町田は最先端の情報や技術と常に接することを心がけていますが、この積み重ねが誰にも負けない自信を支える基盤となっていることはいうまでもありません。
オールオン4の施術には厳正な基準を満たした施設や設備が必要です。なぜならオールオン4が適応となる総義歯の人はほとんどがご高齢であり、細心の注意と高い安全性が求められるからです。具体的には以下のような内容です。
(1)歯科用CTスキャン設備とそれを扱う技術者、画像を読み取る力を持つ医師
ライオンインプラント町田が導入した歯科専用のCTスキャンは、一般のCT機器と異なり、幅1ミリ以下の精度で断層撮影をします。
それによって骨内の様子や状況を外部から見ることができます。3D画像で立体的にも見ることができるので神経の位置や空洞を把握しつつ、どの角度にどの長さでインプラントを埋入できるのかを確実に判断できます。見えないところにドリルを勘でいれるのではなく、見えるところにドリルを入れるのです。CTスキャン画像があるのとないのとでは、安全性に天と地のほどの差があります。
もちろんCTスキャンがなければ他の医療施設で撮影することもできますが、そこへの移動時間や手間などを考えると持っているほうが便利です。特に埋入が困難なケースであればあるほど、すぐにチェックができる自医院での保有が必要です。当院は設置していますが個人開業医での導入は珍しいかもしれません。ちなみに設置している機器は日本では数十台しかありません。
しかしフランスに同じ精度のCTスキャンがほんの3年前には数台しかなかったそうです。少し驚く現実ですが、日本の患者様にとってはうれしいことです。
このCTスキャンによって得た画像情報を使い、手術前にシュミレーションを行うことができます。実際にその様子を患者様にも見ていただきイフォームドコンセントに使用しています。おそらく、言葉や図を使うだけの説明よりもわかりやすく、理解しやすいものとなっているでしょう。患者様からも活発に質問が飛び出し、患者様の不安や心配を思いがけず知ることもあります。そういった付加価値もこの画像は生んでいます。もう手放すことはできません。
滅菌されたインプラント手術専用室です。必須条件のひとつです。
インプラント手術時に通常使用するのは局所麻酔ですが、これに「静脈内鎮静法」という方法を併用すると、手術中の意識が薄れてうとうとした感じになり、心身に与えるストレスを減少させることができ、より快適により安全に手術を受けていただくことができます。 (完全に意識がなくなるのではなく、呼びかければ眠りから覚めます。) 静脈内鎮静法を併用したインプラントなどの手術に伴う全身管理は、歯科口腔外科領域における「全身麻酔」「鎮静法」「疼痛治療」等を専門に行う歯科麻酔医(日本歯科麻酔学会認定医)が担当し、より安全な麻酔法でインプラント手術を行います。また、手術中は最新の生体情報モニターを駆使し、脈拍・血圧・心電図・呼吸等の全身状態を厳重に監視しながら鎮静管理を行います。この方法により、高齢者の方の治療も可能となりました。
[静脈鎮静法]
手術中の意識が薄れ、心身に与えるストレスを減少させることができ、より快適に、より安全に手術を受けることができます。
※この方法を使う場合は必ず歯科口腔外科領域における「全身麻酔」「鎮静法」「疼痛治療」等を専門に行う歯科麻酔医(日本歯科麻酔学会認定医)が担当します。
(4)健康診査の実施
インプラントなどの手術に先がけ、歯科麻酔医随伴による診察(問診・血圧測定・胸部聴診 等)及び検査(尿・血液・心電図 等) を実施し、患者様各々の健康状態や体質などを考慮した管理計画を立てます。なおこれまでは中度以上の糖尿病などの場合は、しばらく治療を進めてからという診断でしたが、最近は数値によって、かえってインプラントにしたほうが糖尿病にも良い影響が出ることがわかっています。 つまり、よく噛むことで唾液が分泌され、少量の食べ物で満足感が得られるために体重が増加せず、体調が良くなるのです。
画期的な開発とはいえ、オールオン4も万能ではありません。顎骨の形態や骨量によっては、すぐにできない場合もあります。ご自分のケースはオールオン4が可能かどうか、どうぞ遠慮なくお尋ね下さい。通常のインプラントの適応となるか、オールオン4が適応できるか、多角的な検査から確実に診断いたします。
図のように骨がやせ細って歯茎の先端がとがってしまったケースはオールオン4の適応はできません。まず移植による歯骨の成型が必要です。その後であれば可能です。
上顎と下顎の噛み合わせが通常の形であれば手術は可能です。
このように歯茎が溶けてしまったケースはまず硬質レンジを使った歯肉の成形からしなければなりません。
下顎が上顎より出ているケース(いわゆる受け口の場合)はその骨量等と照らし合わせて可能かどうか決めます。
オールオン4の効果は、食べる喜びを取り戻すことばかりではありません。合わない義歯を長く使用してきたために生じた顔の歪みを矯正することもできます。いわば顔面整形も可能なのです。より審美性に重点を置いた治療もできます。たった1回のオールオン4の手術でここまでできるということをこの写真でご確認ください。
最新の技術の知識と経験を得る為の海外でのトレーニングや研修は特にインプラントのような進歩を続ける医療分野においては重要なものです。いえ絶対に必要と言っても良いでしょう。そのためには年に数回は必ず海外研修に出かけます。それには、スタッフも必ず同行します。手術に携わる者、全員が専門家であってほしいと願うからです。世界の最前線の治療を、自分の目で見て耳で聞くことが重要なのです。研修には世界中から歯科医が参加します。時には中継ネットで数ヶ所の研修会場を結び、手術の経過をリアルタイムで各会場へ向けて放送することもあります。つまりメインとなった会場での手術は世界各国で多くの参加者の見守る中で行われるというわけです。ある研修でライブ手術に参加したときは、なんと世界中で2000人もの参加者がブラウン管を通して見ていたそうです。私はメイン会場でしたから実際に目の前でその経過を見ることができました。それは非常に参考になりますし、技術の向上はもちろんのこと、意識の上でも良い刺激を受けます。文字や写真だけの知識では得られない生の体験は、何ものにも勝る学習ということです。スタッフたちもそういった機会を重ねることで、患者様からの質問に具体的に即答できます。患者様への細やかなフォローとしても非常に大切なことだと思います。さらにもう一つ、トレーニングを受けることの重要なポイントがあります。メンバーが研修で新しい情報をキャッチすると、すぐさまグループ内において徹底されるということです。ひょっとすると画期的な情報が入れば、それによって昨日までのものをすぐさまレベルアップのために脱ぎ捨てなければならないこともあるかもしれません。その覚悟で私はトレーニングを受けています。だからこそ、安全で確実なインプラント治療を皆様に提供できるのです。もちろんオールオン4にも自信をもっています。お任せ下さい。
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ライオンインプラント町田では、治療費にスルガ銀行のローン「リザーブドプランプラス」がご利用頂けます。